2017年08月17日

骨粗鬆症と歯科治療

皆様、こんにちは 今年の夏はどうしてしまったのでしょうか。本当に雨が続きますね。私の庭の草花も太陽を待ち遠しそうにしています。

今回は骨粗鬆症と歯科治療についてお話をしたいと思います。骨粗鬆症とは骨の微細構造が変化して、骨が弱くなり骨折しやすい状態をいいます。一般的に骨量(骨密度)が若年成人平均値の80〜70%で「骨量減少」、70%未満になると「骨粗鬆症」と診断されます。主な合併症は大腿骨頸部骨折、橈骨(腕の骨)骨折などがあります。

現在骨粗鬆症の治療としてBP製剤(ビスホスホネート製剤)が処方され、多くの方が服用されております。またこのお薬はがんの治療をされている方も服用されていることがあります。このお薬を継続的に服用している患者さんが歯科治療において抜歯など外科的治療を行った際、顎骨の壊死(抜歯後の傷の治りが悪くなる)が起きるケースがあるため注意が必要なんです。

そのためこれから投与を予定している方は投与前にお口の衛生状態を良好に保つことが大切です。歯周病が大きく進行していたり、大きな根尖病巣(歯根周囲のばい菌)のある歯、破折(割れている)歯などは顎骨壊死リスクが高くなるため抜歯してから投与を始めることが望ましいです。

すでに投与している方は3年未満の方は外科処置前にお口の衛生状態を良好に保った状態でBP製剤を休薬せず外科処置が可能となります。

3年以上投与されて方で骨折のリスクが高くない場合は3ヶ月休薬して外科処置を行うことが望ましいとされています。この判断はかかりつけの医師の先生と歯科医の先生に連携して対応してもらうことが大切です。

骨粗鬆症で歯科治療をされている方はご注意していただければと思います。

何より大事なのは骨粗鬆症にならないよう日々の食事や運動など、日常生活のちょっとした注意が必要です。規則的な運動とバランスのとれた食事ですね。

(日本口腔外科学会 ビスホスホネート系製剤と顎骨壊死より)
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2017年04月24日

歯周病と心臓病・脳卒中

だいぶ暖かくなり庭の梅も満開です。春を感じますね。桜も満開となり大河原町まで花見に行ってきました。

さて早速健康情報ですが歯周病は心臓病や脳卒中にも関係しています。歯の周りには細かい血管がたくさんありますので歯周病菌が歯周ポケットの中にたくさんいると血管に入り込んでいきます。

この血管中に入り込んだ歯周病菌は心臓の周りにある血管に溜まり血の塊(血栓)をつくると血液の流れを阻害して最後には血管が塞がれてしまいます。心臓の周りにある血管は冠動脈と言いますがここが塞がれると心臓の筋肉に酸素や栄養がいかなくなり狭心症や心筋梗塞を引き起こすこととなるのです。

心臓だけでなく脳の血管も同じように塞がれてしまいますと一部の脳への酸素や栄養がいかなくなり脳卒中を引き起こしてしまいます。

心臓の弁に障害のある方は心臓の中に入り込んだ歯周病菌が炎症の原因になったります。注意してください!

ブラッシングって大事ですね。何事も体の病気が起こってからでは大変です。お口からお体のご病気を予防してください。

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2017年04月06日

腸管について勉強しました

先週の土曜日に腸管(小腸・大腸)について勉強会で発表いたしました。全身疾患と歯科治療は結びつきが多く我々歯科医師も全身的な知識をアップグレードしていくことは大切です。腸管の解剖、組織的構造、生理的な役割と興味ふかいところは多々あります。腸管は自律神経(交感神経・副交感神経)に制御されており、小腸は消化液にて食べ物を分解し栄養素を吸収、大腸は水分を吸収して糞便を形成いたします。その構造・役割は非常に複雑です!今回腸管について再確認できたのは貴重な経験となりました。
もう一つ!2人に1人はがんになる時代。大腸がんを始めとする体のがんはDNAのメチル化異常が関係しているとのこと!メチル化とはなんぞや。難しい言葉ですが簡単に言いますとDNAに化学的に印をつけて制御することだそうです。その制御の印が飲酒、喫煙、食生活習慣などでちょっとエラーができてしまいがんになってしまいます。今回はDNA,RNAについても分子生物学の基本を見直しました。DNAは生体の設計情報の図書館です。そしてRNAはDNAの情報からタンパク質を作り出していきます。DNAの中でタンパク質の設計情報の部分を遺伝子といいます。ルドルフ・ウイルヒョウは病理学者であり政治家の方で白血病を発見した方です。彼はからだの中を細胞と細胞が作り上げる”国家”のようなものにたとえました。分子が集まり細胞となり、細胞が集まり組織になる、組織が集まり器官となり、器官が集まり体となります。口腔は消化組織の入り口となります。このような方向から我々の歯科治療を考えるのも勉強になりました。
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2017年03月27日

がん患者の口腔ケア研修会

平成29年3月26日(日)の10時から宮城県歯科医師会館で「がん患者の口腔ケア研修会」が開催され参加してまいりました。研修会は宮城県立がんセンター頭頸部内科科長の山ア知子先生に「頭頸部がん患者の口腔管理についてしってほしいこと、おねがいしたいこと」、仙台青葉学院短期大学の伊藤恵美先生に「頭頸部癌患者の口腔管理について歯科衛生士として知っておくこと」の内容でお話をいただきました。日本において2人に1人はがんに罹り、3人に1人はがんで死亡しております。私の患者さんでもがんの治療されている方は年々増えてきているように思います。がんの治療は手術、放射線、抗がん剤治療が行われ、薬剤の開発もめざましく抗がん剤、分子標的薬、免疫療法と選択肢が増えてきているのが現状です。そのような中治療中や治療後に副作用を幾らかでも少なくし、治療を完遂することに口腔ケアが重要となるということでした。
高齢者の方々の暦年齢と実年齢の個人差は大きくなってきており、がん治療する際全身麻酔が可能かどうか・抗がん剤に対する副作用の抵抗度など人によってそれぞれ違いが大きくなっていると山ア先生はお話をされていました。がんにならないように生活を気をつけることは必要ですがお口の中も健康な時からケアしていくことは大事です。フレイルとは我々体の活動が低下し病気ではないけれど虚弱してしまうことを言います。その予防に一番邪魔することにサルコペニア(筋肉減弱症)が取り上げられています。お口の機能も噛めないということがこのようなサルコペニアにつながっていきます。将来のお身体の健康にためにお口を清潔にして機能の健康維持をしていきましょう。
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2017年03月22日

歯周病と糖尿病

糖尿病とはインスリンというホルモンの作用が有効でなくなってしまい、血糖値が高くなってしまう病気です。放置すると目や腎臓や神経障害など全身に様々な影響が出てしまいます。

この糖尿病と歯周病が関係していることは皆様ご存知ですか?

歯周病が進行すると歯ぐきの炎症が持続していきます。その炎症からケミカルメディエーターという化学物質が歯ぐきだけでなく体の中でも増えてきます。この物質が筋肉細胞や脂肪細胞に作用して体の糖の代謝を下げてしまいます。またこれが肝臓にも作用してブドウ糖の代謝を下げるようになっていきます。歯周病はこれらの影響から血液中のインスリンの作用を鈍くさせ、糖尿病を悪化させていくのです。

お口の中の炎症をほっておくとこのようなところにも影響いたします。

歯周病をきちんと治療すると糖尿病も改善することは多数報告されているんです。

たかが歯ぐきからの出血と甘く見るべからず!
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「新歯周病をなおそう」から
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2017年03月18日

歯周病と気管支炎・肺炎

さて今回の話題は歯周病と全身の疾患です。歯周病は細菌感染症ですのでお口の中の特定の細菌と関係しています。これらの細菌は全身との疾患とも深く関係しています。

一つは気管支炎・肺炎などの呼吸器の疾患です。お口の中が不潔でプラークが多くなるとその中の細菌が唾液に混じって気管内に入り込みます。歯周病は歯周ポケット内に炎症を作り出しますので、この炎症から生じたケミカルメディエーターも細菌と一緒に気管内に入っていくのです。ケミカルメディエーターとは免疫の反応によって作り出される細胞間の伝達物質です。アレルギーなどにも関係する化学物質です。

そうすると細菌やケミカルメディエーターが気管支の中で炎症を引き起こし気管支炎や肺炎を引き起こします。お年寄りになるとうまく飲み込めないでむせてしまうことがあります。これを誤嚥といいます。誤嚥があるとこれが原因となる誤嚥性肺炎が起きてしまうことがあります。

まずは入り口であるお口のケアーをしっかりいたしましょう!
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「新歯周病をなおそう」から
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2017年03月17日

歯周病はメインテナンスが重要 継続的支援ケアー

今回も健康情報としてお伝えしていきたいと思います。歯周病は治療をするとほとんどの方は良くなるのは前回お話しをしました。しかし治療後細菌を継続的にコントロールしてケアしないと再発を繰り返してしまうのです。近年歯科にて行う継続的なコントロールするケアを「SPTー Supportive Periodontal Therapy」と呼ばれています。ちょっと専門的な言葉ですが頭の片隅に入れていただければ幸いです。歯が失われてしまう数の研究を調べてみると下記のような報告があります。
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LION セルフケアガイドより
グラフの上は歯周病治療の専門的な機関で継続的ケアを行った結果のデータです。下は厚生労働省の平成23年の日本人のデータとなります。継続的ケアのパワーはすごいですね。こんなに違いが出るなんて!このケアは、毎日行う歯ブラシによるブラッシングである「ホームケア」と歯科医院で行う「プロケア」に分けることができます。細菌の住処はバイオフィルムという"ねばねば"です。ブラッシングは歯茎の上のバイオフィルムを壊して取り除きやすくする作業です。プロケアでは何をするのでしょう。歯茎と歯の隙間の下の方にも細菌がいてバイオフィルムと歯石が住処になっています。これを機械的に除去するのがプロケアです。ホームケアによるケアーがプロケアの効果を維持させるというデータもあります。

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LION セルフケアガイドより
これは初めに両方のブループにプロケアをおこない歯と歯茎の隙間の中の細菌を減らしてその後グループAはホームケアを自己流でおこない、16週後に歯科医院の指導のもとホームケアを行いました。グループBはプロケア後すぐに歯科医院の指導のもとホームケアを行ったものです。歯茎の隙間の中の細菌の割合はこんなに違いが出ます。ホームケアは本当に大事なんですね。是非歯周病を治療してその状態を維持していくために継続的な支援ケアを是非受けてください。
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2016年12月28日

歯周病は治ります

皆様こんにちわ 大変ご無沙汰いたしました。

今月エリアマーク例会でジュン歯科としてテーマ発表をさせていただきました。

テーマは歯周病でした。

歯科クリニックで"あなたは歯周病です"と言われると心配になりませんか?この病気はサイレントディジーズともいわれあまり症状がなく知らないうちに歯の土台が弱くなってしまう病気です。しかしあまり心配しすぎる必要はございません。歯周病はほとんどの方がなる病気なのです。あなたが特別ではありません。きちんと歯科クリニックで診断を受けて治療を受け、毎日効果的なブラッシングをしていけば歯周病は治ります。良くなっている方はたくさんおられます。ご安心ください!

原因は歯垢、歯石にいる細菌です。この細菌が歯と歯茎の隙間に入っていき病気を進行させます。そしてこれらの細菌はバイオフィルムというネバネバの中にいます。うがいだけでは取れません。だから歯ブラシで物理的に取り去ることが大事です。ブラッシングをする場所のポイントは歯と歯茎の境目にいる歯垢を丁寧に丁寧に掃き出していくことです。(図1・図2)もう一つ大事なのは歯と歯の間はトンネルのようになっています。ここは歯ブラシでは届かないことがあります。その時は"歯と歯の間ブラシ(歯間ブラシ)"が必要となります。時間をかけて丁寧に掃き出してください。最近は寒いので洗面所ではなく居間でテレビを見ながらでもゆっくり行うのがいいでしょう。歯ブラシはこまめに取り替えましょう。毛先が開いてきたら交換です。もう一つ大事なことは力を入れすぎないことです。力を入れる力は100g〜150gくらいが目安です。(図3)

歯周病の治療は原因である細菌を除去していくことを基本とします。歯周病治療の特徴は薬物療法が中心ではなく物理的除去療法が中心となります。クリニックでは歯と歯茎の境目の下の方(外から見えない歯茎の中)をお掃除して、ご自宅では歯と歯茎の境目から上の方(外から見えるところ)をお掃除いたします。この両方が合わさることで治っていくのです。治療が終了して治った方は定期的メインテナンスをお忘れなく!今治療されている方は毎日ブラッシングを頑張ってください。心配だなと思っている方は早めに歯科クリニックに行って検査してもらってください。私は大丈夫だと思っている方は中年以降は8割のかたが歯周病になっていますので、過信しないで是非歯科クリニックへ。

今年は大変お疲れ様でした。少しでも皆様の来年からのお口の健康に繋がることを願います。

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図1「LION DENT.EX SYSTEMA 資料」より

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図2「日本人はこうして歯を失っていく」より

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図3 「LION DENT.EX SYSTEMA リーフレット」から
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2016年08月05日

歯周病はメインテナンスが大事です。

毎日暑い夏が続いていますね。皆様お体の調子はいかがでしょうか。いやいや、しばらくブログを休んでしまいました。


前回は歯周病の検査についてご説明いたしました。
歯周病は細菌感染が一番の原因になるため治療が終わってもそのコントロールが大事になります。
治療が終了して良くなったお口の中もそのままになっていると元に戻ってしまいます。 歯科衛生士さんによるお口のお手入れが大事なんです。
一般的目安は3~4ヶ月おきがいいでしょう。
メインテナンスを行っていくことでお口の健康を維持できます。
歯周ポケット内の細菌はブ ラッシングをしていても少しずつ増えてくる ので専門家によるお手入れが必要となりますね。

メ イ ン テ ナ ン ス での内容は@汚 れ の チ ェ ッ ク 、A歯 周 ポケットの検査、Bクリーニング、Cフッ素塗布などです。時間は1時間くらいとっていただければと思います。

是非「かかりつけ歯科医」を持ち、お口の健康を維持されてください。歯茎が腫れてグラグラになってからでは大変です。歯、お口から健康生活を始めましょう!
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2016年03月14日

歯周病の検査


もうすぐ春ですね。早く暖かくなってくれることを願います。

ピンクのクリスマスローズが今満開隣ました。

桜の開花予想は4月6日とのこと。春の到来が楽しみです。

さて歯周病について3回ご説明をしてきました。今回は歯周病治療の検査についてお話しをいたします。

歯周病は、軽症のときはあまり痛みはなく 症状が感じにくい病気です。 歯周病を治療していくには全体の検査が必要となります。

検査1 歯周ポケット検査

歯と歯ぐきの間には隙間があり溝になって います。健康な時は歯肉溝と言いますがそこ にプラークの中の細菌が侵入して歯周ポ ケットが形成されます。そのままになってい ると少しずつ奥の方に進行していくのです。ポケットの程度は数字で表され数字が大きくなると症状が重くなります。

検査2 プラークの付着状況検査

歯垢がどれくらい歯の周りについているか を診ます。プラークレコード(PCR)といい 、健康を 保つには20%以内が理想とされています。

検査3 歯の動揺度検査

歯の動きをみます。沈み込む状態は、歯の根 の先端付近まで歯周病が進行していること が考えられます。

検査4 お口の中の写真撮影

歯周病を治療していくと歯ぐきに変化が認め られます。その変化を記録し治療に役立てます。

検査5 レントゲン検査

お口の中を10枚〜14枚に分けて撮影します。より 細かい状態を診断するために必要な検査で、 歯を支えている歯槽骨の状態を判断いたし ます。

歯周病を治療していくにはこれらの検査が必要となります。この検査を基に診断し治療をどのようにしたらいいのかを判断していきます。

歯・口から始まる健康生活にお役立てください。

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posted by ジュン先生 at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記